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もし僕が本だったら

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もしぼくが一冊の本だったら

 

もしぼくが一冊の本だったら

 

少し廃れかけの商店街にある、小さな古本屋の片隅でひっそりと置かれていたい

 

そこには、たくさんの古い本が並んでいて、レジで優しそうなおじいさんが本を読みながら座ってる

 

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ぼくは、その街をたまたま訪れ、

ひっそりとしたこの古本屋に入ってきたお客さんの手に取られ、

 

パラパラめくられては、置かれ、めくられては、置かれ、、とされるんだ

 

 

 ぼくの中には、なんてことない言葉ばかりが書いてあるけど、たまに何気ない気づきをくれる一節がある

 

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少し優しい気持ちになれて

ちょっとがんばろって思えて

くすりと笑える一節がある

 

 

けど、お金を払って買って持ちかえるほどには、なかなかみんなの心には響かない

 

誰に買われることもなく

平凡に月日は過ぎていく

 

 

それでも、ぼくは悲しくはない

 

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たまに手にとられ、

パラパラされることも

そっと置かれることにもなれた

 

 

ときどきくるお客さんの様子を見るのも楽しい

 日々の生活に飽きることもない

 

 

 

そして、きっとある日

運命の出会いがある

 

 

ふとひとりで店に立ち寄った、おとなしく可愛らしい女の子の手にとられるんだ

 

 

 何気なく手にとったその本を

彼女はパラパラとめくる

 

 

そして、最初のページに戻って、

少し姿勢を整えて、

今度は初めから読みはじめる

 

 

この子に買ってもらいたいな

と、僕は期待する

 

 

けど、彼女は途中まで読んで

ぼくを閉じて去ってしまう

 

 

少し悲しいけど、いつものことだ

とぼくは思い直す

 

 

けど、やっぱり悲しいな

とぼくは思いはじめる

 

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いつになったら買われるんだろうと

ぼくは不安になる

 

 

この古本屋も楽しいけど

やっぱり外に出たい

 

 

誰かの家の本棚に入りたい

誰かの大事な本になりたい

何度も読んでもらいたい

ぼくを伝えたい

誰かとつながりたい

 

 

 

そんなことを思うようになり

ぼくは、その数分のあいだに

どんどん暗い気持ちになっていく

 

 

 

けど、しばらくすると、

さっきの彼女が戻ってくるんだ

 

 

ぼくはうれしい気持ちになる

 

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そして、彼女はもう一度ぼくを手に取り、パラパラとめくる

 

また途中から読みはじめ、

今度は最後まで読みきってしまう

 

 

ぼくを閉じて一息つくと

彼女はレジへと向かい

ぼくを買ってくれる

 

 

ぜんぶ中身を知った上で

買いたいと思ってくれたのだ

ぼくはこの上なく嬉しくなる

 

 

 

そして、

彼女の部屋の本棚に並ぶ

 

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とても心地が良く、

古本屋とは違ういい匂いがする

 

 

ぼくはときにベッドに投げ捨てられ

床に置き去りにされ、本棚にしまわれる

  

 

使われている

役に立っているという実感を得る

 

 

忘れられたかと思うと

またときどき手にとって読んでもらう

 

 

そうして

ぼくの中身が彼女の人生の役に立てれば、

ぼくの本望だと思う

(本だけに)

 

 

いつか、売られるときがくるかもしれない、誰かに譲られることがあるかもしれない、捨てられるかもしれない

 

 

悲しいけれど、

そんなときはまた新しい環境で、誰かに何かを伝えていられたらいいなと思う

 

 

ぼくたちはみんな本と同じかもしれない

 

とくにブログに書くことがなくて、書く元気もなくて、パソコンで下手くそな絵を書いてたら、、

 

「もし本だったら」とかよくわからないことを書き始めてた。

 

 

どこかで読んだ本に

「カレーも本である」

なんて一節があったけれど、

 

 

ぼくたちはもう本と同じかもしれない。

なんて思うこともある。

 

 

このブログだって、やろうと思えば、Kindleで出版することができる。つまり、ぼくの言葉が本になる。もうそれは「僕=本」なのではないかとも考えれる。

 

 

人と出会い、何かを伝える。

 

 

その点で、ぼくたちは本と同じかもしれない。

 

 

あ、そうそう、この本だ。

 

 

「カレーも本である」

 

という話を見つけた。

 

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出版業界の未来、本の新たな可能性など考えるとおもしろい。

 

本の定義を広げて見ると、いろんなものが「これも本かもしれない」「あれも本かもしれない」となるのです。

 

この朝日出版社さんのアイデアインクシリーズはおもしろいのでおすすめ。